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畑わさび(はたわさび)

2017.9.22

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執筆者:岩手大学農学部2年 佐藤瑞穂(2017年度岩泉型インターンシップ参加者)

 

皆さんは「わさび」と聞いてどんなイメージを持つでしょうか?

 

きっと多くの人がすり下ろして食べる根わさびや、スーパーで売られているチューブわさびを思い浮かべるでしょう。今回はそれらではなく、あまり知られていない「畑わさび(はたわさび)」を紹介したいと思います。

 

畑わさびは、冷涼で適度な日陰を好むので山奥の林間斜面などで育てられています。一般的にイメージされる、清流などの水中で栽培されるわさびと同じ植物ですが、栽培方法は異なり、土に植えていることから大きく育つのは「根」の部分ではなく「茎」の部分になります。

 

収穫された根や茎は主にチューブわさびや、わさび加工品の原料になっています。ここで豆知識なのですが、皆さんが普段スーパーなどで買っているチューブわさびはこの「畑わさび」で作られていることが多いです。
 

このような林間で栽培されます。下に生えているのが一面、畑わさびです。
 

収穫した畑わさびです。このように根より茎の方が大きく成長します。
 

 

冷涼な気候を好むなど生育に沢山の条件がある「畑わさび」。この沢山の条件をクリアして日本一の生産量を誇っているのが岩泉町です。

 

実は、岩泉町が属している岩手県は全国の畑わさびの約50パーセント以上を生産しています。そんな岩手県の生産量の約80パーセントを生産し、日本一を支えているのが岩泉町なのです。

 

収穫した畑わさびは、まず葉を切り落とします。
 

その後、細いひげ根を切り落とします。
 

高圧洗浄機などを使って、土を落とします。
 

茎と根に切り分け、2次加工場へと出荷されます。
 

 

岩泉町では昭和59年頃から生産者と行政、加工会社が一丸となって畑わさび栽培に取り組んでいます。その甲斐あって生産者をサポートする仕組みや関連する施設が沢山揃っています。これは他の地域と比べても先進的で、これなら生産量一位もうなずけます。

 

畑わさびは山奥の斜面で育てるため、作業に機械を使うことは厳しく、ほとんどすべての作業を人の手で行います。立っているだけでもフラフラしてしまうような斜面でスコップを使い掘って収穫をしたり、わさびの花を摘んだり、相当な重労働であることは言うまでもありません。

 

ちなみに私は農家さんでお手伝いをさせていただいた一週間ずっと湿布が手放せなくなり、しゃがむたびに「痛い!」と言っていたため農家のおばちゃんたち(お姉さんがた?)に笑われていました...おばちゃんパワーおそるべし...

 

そんな作業が大変という一面がある畑わさびですが、良い所も沢山あります。まず一番に挙げられるのは「作れば作るほど儲かる」という点です。需要がまだまだあり非常に未来がある作物であることは言うまでもありません。

 

最後に、本物の純粋なわさびはチューブわさびとは比べ物にならない美味しさがあります。私自身岩泉に来て本物のわさびの、鼻にツーンと抜けるあの感覚のとりこになりました(笑)

 

是非皆さんも畑わさびのメッカ、岩泉に足を運んでみてはいかかでしょうか?
また、岩泉町では畑わさび農家になりたい人も募集しているそうです。興味のある方は岩泉町役場農林水産課(0194-22-2111)までお問い合わせください。

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一般社団法人 KEEN ALLIANCE
岩泉町移住コーディネーター穴田光宏