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FSC (R) 森林認証(えふえすしーしんりんにんしょう)

2017.11.14

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執筆者:岩泉町役場農林水産課
林業水産室長 今村 篤

 

【What’s FSC 森林認証?】

 

 

森林認証制度とは簡単に言うと第三者機関が、木材を出荷する森林が適正に管理されているか評価する制度です。岩泉町が取り組んでいるFSC森林認証は、その評価をする第三者機関がFSCです。そこで今度は『FSCって何だ?』という方がほとんどだと思います。

 

FSCとは、「 Forest Stewardship Council (R) 」の頭文字をとってFSCなのですが、日本語にすると「森林管理協議会」となります。

 

つまり、
1 FSC とは、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に国際的な森林認証制度を運営している独立した非営利団体

 

2 FSC森林認証制度は、「環境保全」「社会的な利益」「経済的な持続可能性」の3つの柱により管理された森林と、木材の流通や加工のプロセスを認証する制度

 

という事になります。

 

※FSCの詳しい説明はこちらから↓
https://jp.fsc.org/jp-jp/fscnew  (FSCジャパン)
https://www.wwf.or.jp/activities/nature/cat1219/fsc/  (WWFジャパン)

 

 

確かに、地球温暖化や森林減少など環境問題への意識は高くなっています。日本の森林だけを見れば、「森林が減っている」というイメージはなかなか持ちえませんが、ひとたび世界に目を向ければ、地球上のさまざまな地域で森林は急速に減少しているといわれていますから、なるほど「森林の管理は大事だな」ということは理解できると思いますし、そのための仕組みなんだなということもイメージはできるかと思います。

 

http://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1_1.html (環境省)
https://www.ffpri.affrc.go.jp/redd-rdc/ja/redd/deforestation.html (独立行政法人森林総合研究所)

 

しかし、やっぱり、まだよく分からないですね。
分かりづらい理由は色々ありますが、きっとJISやISOのような「材料や製品の品質証明」という性格の制度ではない点がその理由の一つなのではないかと思います。
そこで、ここからは、担当者的視点で、一般の消費者目線でもう少し分かりやすい説明にチャレンジしたいと思います。

 

ズバリ、FSC森林認証とは
1 未来品質規格
2 消費型森林サポート規格
です!

 

では、“未来品質”とは?“消費型森林サポート”とはどういう事なのか?
木は植えてから製品として使えるまで実に長い年月が必要になります。そこが、他の工業マテリアルとの大きな違いですが、“今”行われる「下刈」や「間伐」などの作業は未来への投資であり、「今ある森林資源」は次世代さらにその次の世代へのギフトといえます。

 

 

つまり、責任ある適切な森林管理とは、“未来へ良好な森林環境や持続可能な森林資源”をちゃんと届けるための森林全体の品質ともいえます。また、私たち一般の消費者は、木製品や紙製品を購入するときにFSCのロゴマークが付いた製品を“選び”“買う”ことで林業者を間接的に支援することができ、ひいては世界の森林保全に貢献することができる制度なのです。つまり、“選ぶ”消費活動が間接的に森林保全活動のサポートに繋がるともいえます。
 
 
 

 

【FSC×広葉樹で新しい価値を創造。そして地域振興へ】

 

岩泉町では、この「未来志向型」とも言えるFSC森林認証制度を活用し、主体性のある森林管理に取組んでいますが、この小さな地域がなぜグローバルスタンダードで森林管理に取組むのか?

 

それは、FSC森林認証による森林管理・林業経営への新たなチャレンジであり、地域の自主性・主体性の回復と積極的な情報発信による新たなパートナーシップの構築を目指したからです。つまり、大量生産大量消費型のマーケット(ファスト)からの勇気ある脱却であり、地域資源の価値の最大化を目指す少量多品目型のマーケット(スロー)へのシフトでもあります。

 

また、昔から広葉樹を上手に利用することで山の恵みを生活の中に活かしてきた地域でもあります。燃料としての薪や木炭、しいたけ生産のためのホダ木、農具や住宅、木の実、山菜、きのこ、樹皮などなど。しかし、これら地域の営みの中で育まれてきた木の文化、山の文化は、今、急速に失われようとしています。岩泉町は、FSC森林認証という世界的な評価により地域の森林文化の「誇り」を取り戻し、活力ある地域林業を目指します。

 

【IWAIZUMI Forest】

 

「あしたの恵み、岩泉。」というキャッチコピーで新たな取組もはじまっています。(http://iwaizumi-forest.jp)FSC森林認証という未来品質は、岩泉のあした(未来)の恵みに向けた我々の約束事です。

 

まだまだ、日本国内での認知はとても低く、店頭に並んでいるFSCの商品も少ないですが、木製品や紙製品を購入するときは、FSCのロゴマークを選んで、“ 未来へのギフト”となる責任ある森林づくりを支援してみませんか?

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一般社団法人 KEEN ALLIANCE
岩泉町移住コーディネーター穴田光宏